- 2011-08-12
- [38カ国目 ギリシャ]ザキントス島
何かの雑誌で見た景色が忘れられなかった。
断崖絶壁の下のその風景。
調べてみるとそれは、ザキントス島という日本人には余り知られていない、
マイナーな島にあることが分かった。
島の端っこにあるその場所までは、公共交通機関がないということも分かった。
その場所以外は、その島には目立った特長はなさそう。
行き方の情報もほとんどない。
ザキントス島へ行くべきかどうか悩みつつ、
昨日、アテネの宿で島への船のチケットが買える旅行会社を教えてもらって街に出た。
結局、街の旅行会社ではチケットが買えず、街外れのバスターミナルまで行くことになった。
でも、旅行会社のお姉さん達がものすごく親切だったこと、
ギリシャ人の休みと重なったにも関わらず奇跡的にも空席があったこと、
チケットブースが閉まるかどうかのギリギリの時間にすべりこみセーフで今日のチケットをゲットできたこと…。
様々な偶然が重なったことで、ザキントス島へ行く決心をした。
早朝にアテネ市内からバスターミナルへ向かい、そこからキリニ港までバスで約3時間、
そこから船でさらに1時間、昼過ぎにザキントス島に到着した。
事前に見た島の地図では小さな島のイメージだったのだけど、
到着してすぐ、かなり大きな島であるらしいことが分かった。
宿泊予定のキャンプ場まで、港からバスで1時間半もかかったのだ。
そして、キャンプ場周辺は、ビーチ以外、本当に何もなくてびっくりしてしまった。
このキャンプ場に泊まる人は、純粋にギリシャの海と太陽だけを楽しんで過ごすのだろうか。
とりあえず、食料もなければ、島を巡る足もないので、
キャンプ場から一番近い小さな町へ行ってみることにした。
まばらに家が建つ田舎道を約40分。
小さなレストランや売店が現れたものの、観光客も少ない。
お店の人の対応ものんびりしていて、マイナーな島独特の空気があった。
何もなさそうな島だけど、なんだか心地良い。
私達は早くも、1泊の予定でこの島を訪れたことを後悔しはじめていた。
ちょっと遅めのスタートになってしまったけど、
時間がないのでその日のうちに目的の風景の場所まで原付バイクで行ってみることにした。
島は坂道が多く、山だらけの起伏の激しい道が続く。
オリーブ畑や小さな村を抜け、しばらくすると信じられないくらい美しい海岸線に出た。
暖かいギリシャの潮風に吹かれながら絶景を横目に走る、何とも言えない心地よさ。
メキシコのコスメル島で、どこまでも続く透明な海岸線沿いをバイクで走った事を思い出した。
気付いたら、2時間もバイクに乗っていた。
キャンプ場を出た時はそんなに遠いと思っていなかったのに、いつまでたっても着かない。
完全にこの島の大きさを勘違いしていた。
ガソリンをフルに入れないまま走っていたので、いつ無くなることやらとドキドキしながら走る。
途中でガソリンスタンドが全然見当たらなかったが、エンプティサインが出てしばらくしてから運良くスタンドにたどり着く。
肝を冷やしてギリギリすべりこみセーフ。
そこの店員さんに「ビーチまで、もう少しよ」と言われてほっとした。
ガソリンスタンドを後にして、数分で土産物屋や食堂が数軒並ぶ小さな村に入る。
村を突っ切っていくと視界が開く。
何も遮るものの無い青い空と海の気配。
探し求めていた場所がそこにある。
はやる気持ちを抑えつつ、空中に張り出した展望台へ。
おそるおそる、崖の下を覗きこむ。

そこには、想像を絶する風景が広がっていた。
白い崖に守られるようにひっそりと佇む真っ白なビーチに、一隻の難破船。
ターコイズブルーの海からビーチに向かって静かに白波が打ち寄せる。
あまりにも美しくて、ただただ見入るばかり。
昼間は海から船に乗ってビーチまで来ることができるそうだが、
断崖絶壁の崖の上からビーチへ降りる手段はない。
ひと気のないビーチは、まるで時が止まったかのように、
いつまでも、いつまでも、打ち寄せる波を受け入れていた。
誰かを待つかのように鎮座する朽ち果てた難破船は、
トルコからのタバコの密輸船だったらしい。

時間も忘れ、その風景に見入っていると、西の空に太陽が落ち始めた。
太陽は次第に白い崖とビーチを茜色に染め、大きな余韻を残して海に沈んでいった。
私達は、ギリシャの空と海に、圧倒されていた。
気がついたら、日が沈んだ展望台には誰もいなくなっており、大分冷え込んできていた。
私達は、茜色の西の空を振り返り振り返り、背中に燃えるような光を感じながらバイクにまたがった。
うまくタイミングが合わなかったら、私達はこの島に来ていなかっただろう。
なんとなく、あの難破船がすべてを切り開いてその場所に到達するように呼んでくれたような気がする。
ありさ
断崖絶壁の下のその風景。
調べてみるとそれは、ザキントス島という日本人には余り知られていない、
マイナーな島にあることが分かった。
島の端っこにあるその場所までは、公共交通機関がないということも分かった。
その場所以外は、その島には目立った特長はなさそう。
行き方の情報もほとんどない。
ザキントス島へ行くべきかどうか悩みつつ、
昨日、アテネの宿で島への船のチケットが買える旅行会社を教えてもらって街に出た。
結局、街の旅行会社ではチケットが買えず、街外れのバスターミナルまで行くことになった。
でも、旅行会社のお姉さん達がものすごく親切だったこと、
ギリシャ人の休みと重なったにも関わらず奇跡的にも空席があったこと、
チケットブースが閉まるかどうかのギリギリの時間にすべりこみセーフで今日のチケットをゲットできたこと…。
様々な偶然が重なったことで、ザキントス島へ行く決心をした。
早朝にアテネ市内からバスターミナルへ向かい、そこからキリニ港までバスで約3時間、
そこから船でさらに1時間、昼過ぎにザキントス島に到着した。
事前に見た島の地図では小さな島のイメージだったのだけど、
到着してすぐ、かなり大きな島であるらしいことが分かった。
宿泊予定のキャンプ場まで、港からバスで1時間半もかかったのだ。
そして、キャンプ場周辺は、ビーチ以外、本当に何もなくてびっくりしてしまった。
このキャンプ場に泊まる人は、純粋にギリシャの海と太陽だけを楽しんで過ごすのだろうか。
とりあえず、食料もなければ、島を巡る足もないので、
キャンプ場から一番近い小さな町へ行ってみることにした。
まばらに家が建つ田舎道を約40分。
小さなレストランや売店が現れたものの、観光客も少ない。
お店の人の対応ものんびりしていて、マイナーな島独特の空気があった。
何もなさそうな島だけど、なんだか心地良い。
私達は早くも、1泊の予定でこの島を訪れたことを後悔しはじめていた。
ちょっと遅めのスタートになってしまったけど、
時間がないのでその日のうちに目的の風景の場所まで原付バイクで行ってみることにした。
島は坂道が多く、山だらけの起伏の激しい道が続く。
オリーブ畑や小さな村を抜け、しばらくすると信じられないくらい美しい海岸線に出た。
暖かいギリシャの潮風に吹かれながら絶景を横目に走る、何とも言えない心地よさ。
メキシコのコスメル島で、どこまでも続く透明な海岸線沿いをバイクで走った事を思い出した。
気付いたら、2時間もバイクに乗っていた。
キャンプ場を出た時はそんなに遠いと思っていなかったのに、いつまでたっても着かない。
完全にこの島の大きさを勘違いしていた。
ガソリンをフルに入れないまま走っていたので、いつ無くなることやらとドキドキしながら走る。
途中でガソリンスタンドが全然見当たらなかったが、エンプティサインが出てしばらくしてから運良くスタンドにたどり着く。
肝を冷やしてギリギリすべりこみセーフ。
そこの店員さんに「ビーチまで、もう少しよ」と言われてほっとした。
ガソリンスタンドを後にして、数分で土産物屋や食堂が数軒並ぶ小さな村に入る。
村を突っ切っていくと視界が開く。
何も遮るものの無い青い空と海の気配。
探し求めていた場所がそこにある。
はやる気持ちを抑えつつ、空中に張り出した展望台へ。
おそるおそる、崖の下を覗きこむ。

そこには、想像を絶する風景が広がっていた。
白い崖に守られるようにひっそりと佇む真っ白なビーチに、一隻の難破船。
ターコイズブルーの海からビーチに向かって静かに白波が打ち寄せる。
あまりにも美しくて、ただただ見入るばかり。
昼間は海から船に乗ってビーチまで来ることができるそうだが、
断崖絶壁の崖の上からビーチへ降りる手段はない。
ひと気のないビーチは、まるで時が止まったかのように、
いつまでも、いつまでも、打ち寄せる波を受け入れていた。
誰かを待つかのように鎮座する朽ち果てた難破船は、
トルコからのタバコの密輸船だったらしい。

時間も忘れ、その風景に見入っていると、西の空に太陽が落ち始めた。
太陽は次第に白い崖とビーチを茜色に染め、大きな余韻を残して海に沈んでいった。
私達は、ギリシャの空と海に、圧倒されていた。
気がついたら、日が沈んだ展望台には誰もいなくなっており、大分冷え込んできていた。
私達は、茜色の西の空を振り返り振り返り、背中に燃えるような光を感じながらバイクにまたがった。
うまくタイミングが合わなかったら、私達はこの島に来ていなかっただろう。
なんとなく、あの難破船がすべてを切り開いてその場所に到達するように呼んでくれたような気がする。
ありさ
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Comments:4
- かっちゃん URL 2012-01-15 (日) 01:14
運命の島、ザキントス島。
頂いた絵ハガキに書いてあった島の名前、やっとはっきりしました(笑)- 96ゆーじ&ありさ URL 2012-01-17 (火) 12:21
>かっちゃん、
紅の豚のモデルとなったと言われているビーチだよ!(絵葉書に書いたかも?)
あんな場所を隠れ家にするなんて、ヒーローは目の付け所が違うねっ。- かっちゃん URL 2012-01-18 (水) 01:30
では、紅の豚のモデルになった豚はイベリコ豚(笑)?
こんなビーチ、カップルで行ってしまったらフィーバーだね。
- 96ゆーじ&ありさ URL 2012-01-18 (水) 11:59
>かっちゃん、
そういえば、主人公をなんで豚にしたんだろね?
確かにギリシャと言えば、海と豚!ってくらい豚がおいしかったイメージある!
フィーバー間違いなしだね。無人ってやっぱロマンチックじゃね。
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