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嘆きの壁を前にして

ここエルサレムの旧市街には、有名な場所がある。

「嘆きの壁」

嘆きの壁

よく映像として目にしていたので、知ってはいたけれど、
そこが一体どういう場所なのか、いまいち理解していなかった。

ユダヤ人の歴史は、エルサレムの歴史でもある。
前日の日記の追記でエルサレムの成り立ちを記したように、
長い年月の間、ユダヤ人は迫害され続け、ようやくかつての王国があったこの地を手に入れた。
そこが、聖地であるエルサレム。

嘆きの壁とは、以前(といっても紀元前20年まで遡る)、建てられたヘロデ神殿の外壁である。

現在この地は「神殿の丘」と呼ばれ、イスラム教の岩のドームが建てられている。
岩のドームは、この壁の向こう側のすぐ近くに聳え立っている。
ユダヤの嘆きの壁とイスラムの敷地がここまで近いとは思ってもいなかった。

神殿の丘は、イスラム教指導者による管理となっているため、
この敷地内でユダヤ人やキリスト教徒は宗教的な儀式を行うことを禁じられている。

そのため、ユダヤ人はその方角にあるかつての神殿の壁に「お祈り」をしているのだ。
「嘆いている」と言われているが、実際は敬虔なユダヤ教徒がこの壁に向かって、
神殿再建と救世主の来臨を祈っている。
ある旅行者が、「ユダヤ人が嘆く場所」と呼んだことで「嘆きの壁」と言われるようになったとか。
祈っている人々を見ていると、涙を流しながらいつまでも立ち尽くす人もいる。
心からこの地を取り戻したいと願っている人がいるんだなと思い知らされる。

嘆きの壁

毎日のように世界中のユダヤ教徒がここを訪れ、
この壁に向かって手をつき、頭を置いて、祈っている。
そして、願いを書いた紙をこの壁の隙間に挟んで帰っていく。
ちょうど頭や手をあてる場所が黒ずんでいて、祈りの歴史を感じさせる。

礼拝は主に安息日(シャバット、金曜の日没から土曜の日没まで)に行なわれる。
その時には、多くの信者が壁に集まり、お祈りをする。
ユダヤ教の安息日には一切の労働が禁じられている。
すごいことに、ボタンを押して機械類を動かすことも労働とみなされるので、ダメ。
車の運転も禁じられているため、公共の交通機関もほぼ全て止まってしまう。

この壁は、男女で祈る場所が別れている。
女性は壁に向かって右。男性は左。
観光客でも女性の服装には特に厳しく、肌を露出しているとスカーフを巻くように言われる。
男性も帽子を被っていないとダメ。
入り口に置いてある布キッパを頭に付ければよい。
昼間は暑いせいか、あまり多くの信者を見かけない。
男性側にだけ、左奥に部屋があり、みんなそこのクーラーの効いた場所でお祈りをしている。
あれだけ暑そうな格好をしていれば、そりゃ暑いだろうなと思う。

ユダヤ教徒は、大きく超正統派、正統派、改革派の3つに分けられる。
超正統派、正統派は戒律に忠実な生活をし、
改革派は現代の生活に合わせているそうだ。

ユダヤ教徒

エルサレムで多く見られる黒い衣装の男性たちは、
超正統派の男性で、夏も冬も黒のスーツに黒のシルクハットをかぶり、
もみあげを切らず、髭も伸ばしている。
みんな同じ格好をしているのは、流浪の民となっていた時代の辛さを忘れないために、
世界中で同じ服を着ているのだそうだ。
彼らの民族精神の強さというものを改めて知らされる。

特徴的なもみあげや髭は、剃ってはならないという戒律のため伸ばしているとのこと。
小さい子供から大人までくるくる巻かれたもみあげは、世界中で見ても彼らだけの特徴で、興味深い。
異教徒が体毛を剃っていたから、それと区別するために残すことにしたのだろうか。
女性も例外的ではなくて、黒い衣装を纏い質素な格好をしている。

超正統派は、エルサレムの人口の約30%も占めている。
エルサレム旧市街内のユダヤ人地区を歩くと、ほぼ全員この特徴的なユダヤ教の格好をした人に出会う。
新市街のユダヤ人地区も同様で、同じエルサレムという街の中で複数の民族が地区毎に分かれて、
さらには各民族の特徴的な暮らしをしているのは、なんとも不思議な感じを受ける。
よく成り立つなと。

さらに驚くことに彼らは、働かなくてもよくて、国から援助が出ているらしい。
教典(トーラー)を読み、祈りに明け暮れる毎日。
子供たちは神学校(イエシバ)で勉強し、兵役を免除されている。

ユダヤの神学校

こうしてユダヤ教徒にだけ焦点を当ててこの国を見ても、
イスラエルは全く持って不思議だと思わざるを得ない。
あれだけ多くの正統派の人々が働いていないなんてどういうことなんだろうか。
どうやって国が成り立っているのかさえ、疑問に思ってしまう。

ゆーじ
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Comments:6

avi@だんな URL 2011-09-11 (日) 00:38

イスラエルは本当に不思議な国ですよねー。

ユダヤ教の彼らがお祈りしている壁の上にイスラムの聖地があるなんて、何かがおかしい気がするのですが。。。

しかも2階の方が位が上に見えるし。

何にせよ自分の価値観が変わった国でした。

96ゆーじ&ありさ URL 2011-09-11 (日) 03:13

>avi@だんなさん、
イスラエル、複雑すぎて頭がこんがらかりますよね。
聖地がかぶっているのってほんとに不思議。
目の前で必死に祈っている人を見ると、圧倒されるものがありますよね。
私たちにとっても、知らない世界だらけでした!

うめ URL 2011-09-11 (日) 10:13

お、行きましたか、嘆きの壁。
私もちょうど1年半前、行きましたよ。団体旅行で。
嘆きの壁の前で、椅子にふんぞり返ってトーラーを読んでる超正統派のデブのおっさんに、軽くカルチャーショックを受けたものでした。

ユダヤ教の面倒な戒律の話は知ってはいたものの、シャバット用エレベーターの存在にはさすがに驚いた。イスラム教の戒律の面倒さなんて、比じゃないですね。

イスラエルには、アメリカを中心に、在外ユダヤ人からの多額の寄付がありますからねー。
イスラエルの他の町には、超正統派はほとんどいない感じはしました。

かっちゃん URL 2011-09-11 (日) 10:18

ナショナリズムと信仰心。国家と信仰ってとても関わりか強いよね。
文化も産み出せば戦争も産み出す。幸福も産み出せば悲劇も産み出す。

96ゆーじ&ありさ URL 2011-09-11 (日) 13:29

>うめさん、
超正統派の方々、見るからにストイックで不思議な存在ですね。エルサレム外にはいないんですね~。
シャバット用エレベーター?って金土はもしかして自動運転するのかな?
イスラエルは砂漠の大地なのに、新市街や旧市街のユダヤ人地区はものすごく整備されていて、どこかから膨大なお金が流れてきているんだろうな、と思っちゃいますね。

96ゆーじ&ありさ URL 2011-09-11 (日) 13:38

>かっちゃん、
信仰心から国が成り立つという事が、自分には想像を超える出来事。
宗教のためになぜそこまで?と思えるような事が起こるけど、信仰心のある人からは、宗教なしでどうやって生きてるの?と思われているのかな。

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