- 2011-06-10
- [34カ国目 ケニア]マサイマラ国立公園
憧れの草原の貴族。
アフリカに行ったら是非マサイに会いたいと思っていた。
初めてマサイの姿を目にしたのは、
タンザニアのザンジバル空港から市内に向かうタクシーの中。
車窓から外を眺めていると、いた!
一枚布を纏い、サンダル姿、坊主頭の男性がいたのだけど、
サングラスをして携帯電話で話をしている。
出稼ぎマサイさんだ。
正直、ちょっと興ざめ。
その後もケニア、タンザニア国内では、マサイさんをいろんな所で見かけた。
ビーチ沿いのホテルで働いているホテル・マサイさん、
「マサイショップ見る?」と声をかけてきて布を広げるショップ店員・マサイさんなど。
だけど、出稼ぎマサイさんではなく、
サバンナで牧畜を営み、伝統的な暮らしを続ける「ザ・マサイさん」に会ってみたい。
そんな人のために住む村を観光客に公開しているマサイ村がある。
サファリに来た観光客を対象に、
国立公園近くの村に住むマサイが村に案内してくれるのだ。
ところが、マサイ村に行ったことのある旅人の間では、
この村訪問は「ツーリスティック過ぎる」としてあまり評判がよくない。
村に到着すると、歓迎のダンスを踊ってくれるらしいのだが、
儀式でもないのに仕方なく踊らされているような雰囲気が見るに耐えなかったという話も聞く。
私達は当日まで行くかどうか迷っていた。
でも、他にマサイの生活を垣間見られる場所も知らない。
せっかくなので行くことにした。
村に到着すると、十数名のマサイが待っていた。
皆、20代~30代と思われる若い男性達。
村は木の柵で囲まれていて、中には牛糞と泥で出来た数軒の小さな家が建っている。
10家族がここで生活しているとのことだった。

まず、男性達のダンスが始まる。
歌を歌いながら、1人づつ前に躍り出て、ジャンプを披露してくれる。
あれ?ジャンプはもっと何メートルも飛ぶものだと思っていたけど、
総じてそれほど高くない。
でも、もっとやる気なく、無表情でダンスするのかなと予想していたのに反して、
結構楽しんで踊ってくれているように見えてほっとする。
たくさんの声が共鳴して響き渡る中、赤い布が空へ舞う。

マサイ式の火おこしを見せてもらった後は、女性達のダンス。
赤を基調としながらもカラフルな刺し色の布を纏った女性達がずらりと並ぶ。
大地に響く歌声を聴きながら、
最近自然の中でこうやって声を合わせて歌うことなんてなかったと思う。
最近どころか、大自然の中で大勢で歌ったという記憶が思い出せない。
女性達の後ろでは、ちびっ子がまねして歌っている。
こうやって共同体の中で歌われる歌が、
自然と子ども達に歌い継がれていくのっていいなと思った。
次は、お宅訪問。
私たちを自宅に案内してくれたのは、村長の息子さん。
他の人達よりこぎれいな格好をしている。
家の中は天井が低く真っ暗で何も見えなかったけど、3部屋あるとのことだった。
そのうちの一室で、マサイの生活について教えてもらう。
一夫多妻制で財産に応じて何人でも妻を娶ることができること、
村長さんには4人の奥さんがいること、
普段はウガリ(コーンミールやキャッサバの粉を湯で練ったもの)を食べていて、
特別な日は牛の血を飲むこと、
村では年上の男性がとても尊敬されていることなど…。
その後は女性達がずらりと土産物を広げて待機する場所へ案内される。
スペイン人グループがゆっくり買い物をしていたので、
その間、私達は子ども達と遊んでいた。
きれいな服を着ている青年層に比べ、子ども達はボロボロの服を着ていて、
顔中にハエが集っている。
入場料やお土産での観光収入は子ども達にまでは行き渡っていないんだろうな。

そうこうしていると、側にやさしそうな顔をした男性がいることに気づき、話しかけてみた。
彼はマサイ語しか話さないのだけど、身振りでコミュニケーションを取ってくれる。
何度もジャンプを見せてくれた後、腰に刺している刀剣を見せてくれたり、
大きく開いた耳の穴を見せてくれたり。
「ああ、この人はウェルカムしてくれているんだ」と思えて嬉しかった。
その人は、村の出口まで来て手を振って見送ってくれた。
「草原の貴族」に会った気がした。
かつて東アフリカ一帯に住んでいたマサイ達。
19世紀、ケニアとウガンダを結ぶ鉄道を計画した英国は、マサイの長と契約を結び、土地を手に入れた。
その後も20世紀、ケニア政府はマサイの土地を接収し、国立公園に指定する。
これによって、公園内のマサイは生活に様々な制限を強いられた。
居住地がどんどん狭められていった結果、
現在、マサイはケニアとタンザニアの国境付近に住んでいる。
牧畜を営みながら自給自足するマサイにとっての現金収入は、
観光客の訪問のみ。
そう考えると、村訪問が多少ツーリスティックであったとしても仕方がないのかなと思う。
ありさ
アフリカに行ったら是非マサイに会いたいと思っていた。
初めてマサイの姿を目にしたのは、
タンザニアのザンジバル空港から市内に向かうタクシーの中。
車窓から外を眺めていると、いた!
一枚布を纏い、サンダル姿、坊主頭の男性がいたのだけど、
サングラスをして携帯電話で話をしている。
出稼ぎマサイさんだ。
正直、ちょっと興ざめ。
その後もケニア、タンザニア国内では、マサイさんをいろんな所で見かけた。
ビーチ沿いのホテルで働いているホテル・マサイさん、
「マサイショップ見る?」と声をかけてきて布を広げるショップ店員・マサイさんなど。
だけど、出稼ぎマサイさんではなく、
サバンナで牧畜を営み、伝統的な暮らしを続ける「ザ・マサイさん」に会ってみたい。
そんな人のために住む村を観光客に公開しているマサイ村がある。
サファリに来た観光客を対象に、
国立公園近くの村に住むマサイが村に案内してくれるのだ。
ところが、マサイ村に行ったことのある旅人の間では、
この村訪問は「ツーリスティック過ぎる」としてあまり評判がよくない。
村に到着すると、歓迎のダンスを踊ってくれるらしいのだが、
儀式でもないのに仕方なく踊らされているような雰囲気が見るに耐えなかったという話も聞く。
私達は当日まで行くかどうか迷っていた。
でも、他にマサイの生活を垣間見られる場所も知らない。
せっかくなので行くことにした。
村に到着すると、十数名のマサイが待っていた。
皆、20代~30代と思われる若い男性達。
村は木の柵で囲まれていて、中には牛糞と泥で出来た数軒の小さな家が建っている。
10家族がここで生活しているとのことだった。

まず、男性達のダンスが始まる。
歌を歌いながら、1人づつ前に躍り出て、ジャンプを披露してくれる。
あれ?ジャンプはもっと何メートルも飛ぶものだと思っていたけど、
総じてそれほど高くない。
でも、もっとやる気なく、無表情でダンスするのかなと予想していたのに反して、
結構楽しんで踊ってくれているように見えてほっとする。
たくさんの声が共鳴して響き渡る中、赤い布が空へ舞う。

マサイ式の火おこしを見せてもらった後は、女性達のダンス。
赤を基調としながらもカラフルな刺し色の布を纏った女性達がずらりと並ぶ。
大地に響く歌声を聴きながら、
最近自然の中でこうやって声を合わせて歌うことなんてなかったと思う。
最近どころか、大自然の中で大勢で歌ったという記憶が思い出せない。
女性達の後ろでは、ちびっ子がまねして歌っている。
こうやって共同体の中で歌われる歌が、
自然と子ども達に歌い継がれていくのっていいなと思った。
次は、お宅訪問。
私たちを自宅に案内してくれたのは、村長の息子さん。
他の人達よりこぎれいな格好をしている。
家の中は天井が低く真っ暗で何も見えなかったけど、3部屋あるとのことだった。
そのうちの一室で、マサイの生活について教えてもらう。
一夫多妻制で財産に応じて何人でも妻を娶ることができること、
村長さんには4人の奥さんがいること、
普段はウガリ(コーンミールやキャッサバの粉を湯で練ったもの)を食べていて、
特別な日は牛の血を飲むこと、
村では年上の男性がとても尊敬されていることなど…。
その後は女性達がずらりと土産物を広げて待機する場所へ案内される。
スペイン人グループがゆっくり買い物をしていたので、
その間、私達は子ども達と遊んでいた。
きれいな服を着ている青年層に比べ、子ども達はボロボロの服を着ていて、
顔中にハエが集っている。
入場料やお土産での観光収入は子ども達にまでは行き渡っていないんだろうな。

そうこうしていると、側にやさしそうな顔をした男性がいることに気づき、話しかけてみた。
彼はマサイ語しか話さないのだけど、身振りでコミュニケーションを取ってくれる。
何度もジャンプを見せてくれた後、腰に刺している刀剣を見せてくれたり、
大きく開いた耳の穴を見せてくれたり。
「ああ、この人はウェルカムしてくれているんだ」と思えて嬉しかった。
その人は、村の出口まで来て手を振って見送ってくれた。
「草原の貴族」に会った気がした。
かつて東アフリカ一帯に住んでいたマサイ達。
19世紀、ケニアとウガンダを結ぶ鉄道を計画した英国は、マサイの長と契約を結び、土地を手に入れた。
その後も20世紀、ケニア政府はマサイの土地を接収し、国立公園に指定する。
これによって、公園内のマサイは生活に様々な制限を強いられた。
居住地がどんどん狭められていった結果、
現在、マサイはケニアとタンザニアの国境付近に住んでいる。
牧畜を営みながら自給自足するマサイにとっての現金収入は、
観光客の訪問のみ。
そう考えると、村訪問が多少ツーリスティックであったとしても仕方がないのかなと思う。
ありさ
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