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マラリア予防イベント見学

青年海外協力隊は、合衆国の米国平和部隊(ピースコー)をモデルにして設定された制度だと言われている。
ケネディ大統領が1961年に開始して以来、20万人以上のピースコーが77カ国以上で働いてきた。
協力隊は4年遅れの1965年に発足。
それ以来、3万4000人以上の日本人が80カ国以上に派遣されている。
JICAのホームページを見てみると、ピースコー発足前から協力隊の構想はあったと書いてあるが、
どちらにしろ、派遣期間が2年であること、
現地の人の生活水準に沿った生活費が支給されることなど、両者の制度は似通っている。

政府やそれに準じた組織が途上国にボランティアを派遣する制度は、
他にもイギリスのVoluntary Service Overseas (VSO),
韓国の韓国国際協力団(KOICA)などがある。

マリでは現在、なんと171名のピースコーが活動しているという。
友人の任地にもピースコーの女性が赴任していて、
今日はその人が関わるイベントがあるそうなので、見学させてもらうことにした。

村の広場に設営された会場には、たくさんの村人が集まっていた。
小学生もイベントを優先して休みをもらって集まっている。
ピースコーの彼女は、関係者席の真ん中あたりに座って手を振っていた。
彼女は大学で保健衛生を専攻していたので、
マリでは近辺の村人の健康状態の向上のために活動しているとのこと。
今日は、合衆国のNGOが資金提供する年に1回のマラリア予防イベントだそうだ。

マラリア予防イベント

女性達のダンスで開会した後、
司会者が冗談を飛ばしながらマラリア予防に関するクイズを投げかける。
このクイズで正しい答えを言えた人に、蚊帳や文房具などのプレゼントが配られるという進行だ。

現地の人のためのすばらしいイベントのはずだけど、子ども達の扱われ方にびっくりしてしまった。
クイズが出されるたびに、子ども達がわっと司会者に群がり、
自分を指名してくれるようアピールする。
その度に棒を振り回して子ども達をけん制する係りがいるのだ。
けん制するだけならいいかもしれないけど、実際に叩かれている子もいた。
そして、イベント終了時に余ったプレゼントが子ども達の方に向かって投げられ、
数本のペンと数冊のノートを巡って子ども達が殺到して将棋倒しになりながら奪い合う。

別の日には小学校では鞭を使っている先生が数人いたし、
泣いている子どもに手を上げる母親も目にした。
マリの子ども達は底抜けに明るく人懐っこいけれど、
特に権力のある大人にびくびくしている様子も見受けられて心が痛む。
子ども達にプレゼントをばら撒く方法じゃなくて、
もっと楽しくマラリア予防について学ぶ方法がありそう、なんて思う。

イベントの締めの挨拶は、役人がフランス語で行っていた。
この辺の人々はバンバラ語を話し、殆どフランス語を使うことはない。
でも、教養と権力を見せ付けるために、わざとフランス語を使う人もいるらしい。
皆が日常使っているバンバラ語で挨拶した方がより理解してもらえるんじゃないか、なんて思う。

そして、このイベントの開催時期にも疑問が残る。
蚊がいない乾季の今やるより、蚊が多い雨季に入る前にやった方が効果的かも、なんて思う。

イベントが終わり、ピースコーの彼女とイベント内容についていろいろ話しながら、
「あなたはこのイベントにどう関わっていたの?」と聞いてみた。

「私は数ヶ月前、イベント開催会議にちょこっと参加しただけ。
 主役は現地の人達で、ピースコーは必要があれば手助けするだけだよ。
 他のピースコーもそういうやり方で活動している。
 このイベントのやり方には確かに問題があるけど、
 イベントの目的はずれていない。
 私は、重大な問題がない限り手は出さなくていいと思っている」
という答えが返ってきた。

それを聞いて、あれやこれや「ここが問題だ、こうしたらいいのに」
などと思ってしまった自分が恥ずかしくなった。
実際に多くの子どもがマラリアで亡くなっているこの地域で、
予防イベントを実施しないよりはした方がいいのは確かだし、
いつかはいなくなる外国人が積極的に介入してアドバイスしたり関わったりするよりも、
現地の人達が主導権を取って毎年継続的にイベントを行った方がいい。
子ども達の扱いについても、原因は1つではないだろうし、
1回のイベントでどうにかなる問題ではない。

協力隊やピースコーを含め、いわゆる先進国から途上国への援助の最終目標は
「途上国が自立し、援助がなくなる状態」とされている。
彼女の言葉を聞いて、余りにも関与しすぎる援助は逆に自立を妨げるということを思い出した。

ピースコー
↑ピースコーのSさん。両親がスリランカ人だけど、アメリカで生まれた彼女は米国籍。

イベント後、ピースコーの彼女が「私の家を見にくる?」と言ってくれたので、
案内してもらうことにした。
彼女の住居は村のど真ん中にあり、マリ人の家の敷地内にあった。
土壁でできていて、6畳くらいのベッドルームと小さなダイニングがある。
小さな窓があるものの、電気がないので室内はとても暗い。
水道もないので、家の人との共同の井戸を使っているそうだ。
今の季節は室内に熱がこもって暑くて寝られないので、家の外にゴザを敷いて寝ているらしい。
ご飯は、お隣の家の人からマリご飯を分けてもらっているという。

私が「マリの人達と同じ生活だね」とコメントすると、
「家の造りは一緒だけど、私は彼らより全然まし。
 彼らは同じ部屋に何人もの家族が一緒に住んでるけど、 
 私には1人の空間があるからまだプライバシーがある」
との答え。

さらに、
「ピースコーに応募する人は過酷な環境を受け入れる準備ができているし、
 むしろ楽しみにしている。
 アメリカでの生活と比べたらいっぱい不便はあるけど、
 人生で一回くらい若い時に苦労した方がいいと思う。
 同じピースコーで中国で英語を教えることになった友達なんて、
 環境が良過ぎてアメリカと変わらないって言ってるから、私はほんとにラッキー」
なんて言っていた。

タフだ~!

正直、彼女に会うまで、私はピースコーについて全く誤解していた。
住居も設備の整った外国人用の家に住んでいると思っていたし、
現地でもアメリカ式の生活ややり方を押し通しているんじゃないかと思っていた。
でも、彼女は現地の人に限りなく近い生活をして、現地語を話し、
現地の人の目線に立とうとしていた。
がんがん意見を主張して変えさせようとするばかりじゃなくて、現地の人のやり方を尊重していた。

ピースコーも協力隊も、意気込んで現地入りしたものの途中で挫折し、
活動を放棄してさぼってしまう人も確かにいる。
でも、まじめに取り組んでいる人も多い。
さぼっている人は取り上げられがちだけど、地道に活動している人は知られないものだ。

かなり長くなってしまったけど、
共に生きるために、
電気も水道もない場所でコツコツと任務を全うしている人がいることを伝えたくて書いてみた。

ありさ
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