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2010年05月24日

オルテガ邸の庭とトラルパン礼拝堂

オルテガ邸の庭 像がたたずむ

先日、ルイス・バラガン邸を見にいった時、バラガン邸の隣に建つオルテガ邸の庭の見学をリクエストすると、「毎日ツアーはないから、月曜の11時に来るように」と言われる。
オルテガ邸は個人宅なので、見学予約はバラガン邸を通さないといけないのだ。
口約束だったので心配になり、後日電話で予約が入っているかどうか確認すると、やっぱり記録されてないとの事。
まあ、約束したスタッフの顔も覚えているし、どうにかなるだろうと宿で同室のAさんと3人でまずバラガン邸に向かう。
到着すると、案の定予約は入ってないと言われたけど、説明するとすぐにツアーを開始してくれた。
バラガン邸、オルテガ邸の庭は学生ボランティアが中心となってガイドしているそうだが、この日はたまたま10人以上のボランティアがいたので融通が利いたみたいだ。

オルテガ邸は、元々はバラガンの自宅だったが、数年後彼は隣に再び自宅を設計し、亡くなるまで40年間そこに住み続けた。
オルテガ邸は現在、建築家が住む個人宅なので、庭しか見学できないけれど、庭がすごい。
バラガン邸と同じく、オルテガ邸も外観は普通のメキシコ住宅で、中がどうなっているか全く想像がつかない。
でも扉をあけて一歩中に入ると、庭のあまりの広さにびっくりする。
まず、鉢植えや噴水がある整備された「庭」を想像していた私は、どこかの森に迷い込んだような、鬱蒼とした感じが衝撃だった。
先日訪れた隣のバラガン邸は、ピンクや黄色や白といった鮮やかな色が効果的に使われていたけど、この庭では自然の色だけしか目に入らない。
「私のすべての作品の根底にあるのは、子ども時代と青年期を過ごした父の牧場での思い出です。」とのバラガンの言葉どおり、この庭は彼が愛したグアダラハラの農園での風景を再現しているのかもしれない。

オルテガ邸の庭 光と影のコントラスト

遊歩道に導かれて進むと、庭に入った時は見えなかった像がいくつか登場する。
ガイドさんの説明によると、バラガンは風景に溶け込むように像を配置し、庭にいくつかの「秘密」を設置するのが好きだったと言う。
木々に隠れて見えなかった場所に像がぱっと登場すると、「あんなところにも!」という発見が面白い。
中庭には秘密の地下道もあって、地下道の本当の目的は今も分からないままだそうだ。

オルテガ邸の庭 ブーゲンビリアのピンク

庭を散策し、建物の方に近づくと、突然ブーゲンビリアのピンク色が現れる。
建物との境目にちょうど花びらが落ちて地面が花びらで覆われるようになっており、オープンダイニングから木々の緑と花びらのピンクとメキシコの強い光と影のおりなすコントラストがまるで絵画のように見えるようになっている。

オルテガ邸

オルテガ邸の壁も、もともとはバラガン邸のように鮮やかなブーゲンビリアの色が使われていたそうだが、管理のための資金不足のため、今は塗りなおさずに放置されている。

ガイドが終わり、庭を後にする時、森を散歩し終えたような、不思議な気分だった。
大都会の中にあることが信じられない、「秘密の花園」だった。

お店の女の子

オルテガ邸を後に、地下鉄と路面電車を乗り継ぎ、バラガンの最高傑作とも言われる「トラルパン礼拝堂(カプチーナス礼拝堂)」へ向かう。
途中、「Comida Colida(定食)」の看板を見つけ、昼食。
メキシコは14時~16時頃に食べるお昼ご飯が一番豪華で、この時間帯だけスープ、メイン、ソフトドリンクの定食が食べられる。
スープ、メインは選べるのだけど、スペイン語がまたもやわからず、お店の人におまかせ。
スープはコンソメに米が入ったもの、メインはミートボールのピリ辛トマト煮込みとミラノ風カツレツをトルティーヤで巻いてすっぱ辛いソースをかけたもの、ソフトドリンクはタマリンドジュースだった。
これで30ペソ(約300円)なので、Comida Colida万歳だ。
このお店の女の子があまりにもかわいいので、ナプキンで鶴を折ってプレゼントした♪

トラルパン礼拝堂

トラルパン礼拝堂は、宿にあった情報ノートに行き方が書いてあったけど、『地球の歩き方』には載っていない。
駅から徒歩20分くらい、道行く人に聞きながらやっと目的の住所にたどり着いたが、外観はどう見ても礼拝堂には見えず、普通の家。
約束の時間の20分前だけど、ベルを押してみる。
すると中からシスターが顔を出し、約束の時間を確認してまた扉を閉められてしまった。
メキシコとは思えない時間の正確さだ。
周辺をぶらぶらして約束の時間に戻ると、HISのツアーも来ていた。
ツアーガイドの方のこぼれ話によると、ここの見学は、予約を4回くらいいれて何度も確認しないとダメらしい。
私達はバラガン邸を通して予約してもらったが、私達もやっぱり4回バラガン邸に電話し、オルテガ邸の庭を見にいったときもバラガン邸でちゃんと予約が入っているか確認してもらった。
気候条件や政情などが厳しい国では、約束を日本のように厳格に守るのは難しい。
「約束は確認して当たり前」くらいに考えて、何度も確認するしかない。

約束の時間ぴったりにドアを開けてもらい、敷地内に入ると、バラの香りに包まれる。
中庭の端に配置されている水が張られた水盤いっぱいに浮かべられた、白いバラの花が芳香を放っていたのだ。
中庭の白い壁には、ぱっと見たときには気づかないくらい壁と一体化した白い高さ10メートルの十字架が浮き出ている。
中庭の床は、溶岩が使われているそうだ。これは、メキシコシティの住宅開発が火山の噴火で形成された溶岩の土台の上に成り立っていることを象徴しているという。

中庭から礼拝堂に入る前に、薄暗い小さな小部屋に通される。
この小部屋は、礼拝堂から漂うユリの花の香りがする。
扉の向こうに何があるのだろう、との期待がわくのと同時に、薄暗さのせいか、心がしんと静まる。

トラルパン礼拝堂(バラガン邸の案内図を撮影)
↑礼拝堂は撮影禁止なので、写真はバラガン邸にある案内図を撮ったもの。
この写真では壁がオレンジ色に見えるけど、私達が行った時は16時で、壁の色はよりピンク色に見えた。

シスターがゆっくり扉を開け、その向こうは淡い光に満ちた空間が広がっていた。
白い壁の向こうには、金色の祭壇があり、祭壇左側のオレンジピンク色と同じ色をした大きな十字架が横向きに配置されている。
十字架は祭壇正面にあるのが普通だけど、左壁後ろから窓ガラスを通して差し込む光が十字架に当たり、朝の一時だけ正面の壁に見事な十字架の影が現れるという。
このしくみをつくるため、わざと祭壇の横に十字架は配置されているのだ。
バラガンは、太陽光の角度と壁の色によって、どのような趣の空間が生まれるか計算することのできる光の魔術師だったのだろう。
この礼拝堂に入って何よりも驚くのが、十字架や壁が鮮やかなオレンジピンク色をしているにもかかわらず、空間全体が静かな祈りに満ちていることだ。
祈り以外を排除したシンプルな造り、高い天井、そして自然光と壁の造り出す色のマジックのせいかもしれない。

祭壇横には、薄黄色の格子窓で隔たれた信者用の部屋がある。
格子窓なので、十字架の集まりのようにも見え、その向こうには光の充満した中にオレンジピンクの大きな十字架が見える。
この部屋からはこの大きな十字架が正面に見えるようになっている。

ユリの香りの礼拝堂を後にすると、薄黄色の格子窓のある廊下を通って再び中庭へ。
高い壁の縁から2本のブーゲンビリアが段違いに生い茂り、白い壁に彩を添えている。
祈りの空間から建物の外に出て、水や植物といった自然を目にするとほっとする。
光に包まれた礼拝堂の中は、時が止まっているかのように静かで、異次元の世界。
中庭に出て生きているものを目にすると現実に帰ってきたかのような感覚になるのだ。
もともとは簡素な礼拝堂だったものを、バラガンは私財をつぎ込んで7年の歳月をかけて改築したそうだ。
庭へのこだわり、光と影の使い方、カトリック教徒としてのアイデンティティ、すべてがこの小さな空間に表現されていて、最高傑作と言われるのも納得だ。

メキシコ中に溢れる豪華なカトリック教会と対照的なバラガンの礼拝堂を見て、祈りのために過度な装飾は必要なく、ただ神と対話するための空間づくりが重要なのだと感じた。

Barragan Foundation
写真をいくつか見ることができます。
Luis Barragan -> Masterpieces

ルイス・バラガン建築 - トラルパン教会への行き方

ありさ
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