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[19カ国目 ウルグアイ]コロニア・デル・サクラメント

哀愁のコロニア

この街には哀愁という言葉が似合う。
夏が終わり、ひんやりした風が吹き始めた頃。
広葉樹が少しずつ、ひらひら舞いながら落ちていく。

ウルグアイに行くというと、決まって旅人達から
「あそこには何もないよ、何もすることがなくて時間をもて余してしまう」と言われてきた。
でも、ひどい場所だとか強盗に遭ったとかいう話は聞いたことがない。
きっと、ただただ本当に何もすることがない所なんだろう、そう思いながら足を踏み入れた。
アルゼンチンから船で日帰りすることにしたものの、
安い往復チケットを買ったら昼前に出発、帰りは深夜着のものしか空席がなかった。
そういう訳で、ウルグアイにはたっぷり11時間滞在することになった。

街路樹 コロニア・デル・サクラメント

スペインとポルトガルの建築物が作り出す歴史的な町並みが世界遺産に登録されている
コロニアル・デル・サクラメント。
船着場から住宅街に入ると、道路の両脇に背の高い街路樹が並んでいる。
この木が影を作るお陰で、暑い日差しを感じることなく街歩きにいそしむことができる。
木陰には水分がなくなりカサカサになった落ち葉たち。
交通量が少ない道路を、この落ち葉だけが風に舞いながら存在感を放っている。
きっと、この落ち葉が秋のあの切ない感じを思い出させるのだ。

さて、どこに行こうかとガイドブックを広げてみたものの、見所らしきものは載っていない。
ならば、ぶらぶら歩きますかと宛ても無く街路樹の街を彷徨う。

ラ・プラタ川 川岸でピクニックする家族

コロニアの街は地図で見ると海に面しているように見えるけど、実際は川の側の街だ。
ラプラタ川は、スペイン語で「銀の川」という意味になるが、
その名前には似つかわしくない濁った泥色をしている。
でも、波がなくゆったりとした大河の風景はこの街にしっくりなじむ。
川岸に行ってみると、大家族が一同に会し、ピクニックをしていた。
皆が水着を着て、飲み物片手におしゃべり。
泳ぐには寒いとか、水が濁っているとか、そんな事は関係ない。
水の側で、日光浴しながら、ビールでも飲んで、軽食をつまんで、
のんびりすればいいのだ、そんな空気が伝わってくる。
なんて贅沢な午後なんだろう。

木陰の笑顔

ぐるりと街を散歩して、お昼ごはんを食べると急速に眠くなってきた。
どこか寝る場所はないかと探してみると、ちょうどよい木陰が見つかった。
ゴロンと寝転ぶと、小さな男の子がニコニコしながら覗き込んでくる。
男の子は私と別の旅人の間を行ったりきたり。
本当に人懐っこい。
男の子がお父さんに呼ばれて去っていくと、本格的に眠くなり、
カメラをお腹の上に乗せたまま眠ってしまった。
こんな無防備なことをしたのは旅に出て以来初めてだ。
鉄格子のない商店、ゆったりした動作の人々、居心地のよい木陰、そんなもの達が眠りに誘ったのだろう。
目を覚ますと葉っぱの間から青空が広がっていて、幸せな気分になった。

コロニア・デル・サクラメントの街並み

昼寝をしても、時間はたっぷりある。
アイスを食べたり、もう一度少し街歩きをしたりする。
カフェでは人々が贅沢な午後のおしゃべり。

西日が織り成す風景

もしかしたら川岸は夕陽がきれいなんじゃないかと思いつき、川へ向かう。
川の方から差し込む西日は木々の間を黄金色に照らし、長い長い影を作り出していた。

日暮れ後のカフェ

日が沈むと、18世紀のろうそくの色を再現したという黄色いランプが次々に点され、
どこからともなくやってきた人々でバーが賑わう。
哀愁漂う石畳の街並みで、木々も静かに眠りについた。

喧騒のブエノス・アイレスから高速船でわずか1時間で国境越え。
そこは、木陰とランプが似合うしっとりした大人の街だった。

ありさ

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