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[17カ国目 アルゼンチン]エル・カラファテ

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移動は続く

移動日。

イースター島からチリのサンティアゴまで飛び、
深夜の便でチリ南部パタゴニアにある街プンタ・アレーナスに行く。

イースター島から4時間半+2時間の時差でサンティアゴに到着したのは、
昨夜7時くらい。これから夜1時半発のプエルト・ナタレス行きまで時間を潰さないといけない。
しかし、ここサンティアゴの空港は、治安もよく、WiFiもフリーで、
さらには24時間稼動しているので、時間を悠々と潰せた。

南部のパタゴニアに行くのは、バスでルート40と呼ばれる道を通って南下していくのが
一般的だけれど、かなりの距離があり途方も無く時間が掛かるので、
ここはワンワールドの世界一周航空券を利用した。
復路も購入しているので、もう一度プンタ・アレーナスに戻ってこないといけない。
パタゴニアでどれくらいの時間が必要なのか全くわかっていないので、
だいたいの日時を決めて買っているけれど、世界一周航空券なので日程変更を自由に行い、
思う存分パタゴニアを満喫したいと思う。

早朝5時近くにプンタ・アレーナスに到着。
窓から見えるパタゴニアの景色は、川と荒涼とした木々に囲まれた自然な大地。

空港からバスに乗って、街へ。
寒い。
まだ朝だからか、急に寒い所に来たからか、寒さを強く感じる。
これからすぐに北の町、プエルト・ナタレスに向かう。
そのためにバス会社が開くのを外で待つ。

1時間近く外で凍えそうになりながら待ったけれど、
非情にもバスは満席。
もう1社に駆け足で向かうも満席。
この街には特に見所が無いので、あまり足止めを食らいたくない。
最後の望みをかけて、残りのもう1社へ。
行くと1時間後のバスが購入できた。
一安心。

プンタアレーナスからプエルトナタレスへ3時間。
ここはパイネ国立公園のある場所。
今行くべきかどうか悩んだが、
ひとまずさらに北の町、アルゼンチンのエル・カラファテまで行くことにした。

しかし、今の時期はハイ・シーズンで同じ会社では購入できなかった。
乗ってきたバスの運転手にどこでチケット買えるか聞くと、
携帯を取り出し、どこかに電話。
着いて来いというので、行くと、
別のバス会社に空きを確認してくれていて、さらには連れて行ってくれた。
自分とは違う会社なのに案内してくれるなんて、優しい限り。

バスの出発まで6時間待ち。
小さな町プエルト・ナタレスでぶらぶらすることに。
パイネ国立公園はパタゴニアの中でも有数のトレッキングコースとして、世界中の人々に人気がある。
なのでアウトドア・グッズのお店がいくつか目に付く。
ほんとに小さな町なので、何も見るべきところはないけれど、
町外れの港まで行ってみた。
そこからは雄大な山々が雪化粧をして立ち並ぶ姿を目にすることができ、
空は広く、激しすぎるくらいの冷たい風が吹きつけ、まともに歩けないくらいだった。

プエルト・ナタレス

食べるお店も限りがあり、小さな食堂に行ってみる。
お昼のセットが500円とチリにしては安い。
魚だったけれど、冷凍モノかな?
ここまで南下すると、海水が冷たすぎてあまりいい魚が取れないみたいだ。
それでも、まあおいしかったけれど。

お昼ごはん

夕方に出発。
途中チリとアルゼンチン国境をまたぎ、バスを乗り換える。
アルゼンチンのエルカラファテまで6時間。
到着したのは、23時を過ぎていた。

長い長い移動の日。
たまにはこういう日もある。

疲れた。
と言いつつも宿のご主人と深夜3時まで飲み語る。

ゆーじ

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ステーキとワイン祭り

アルゼンチンと言えば、牛肉とワイン!
旅人からその話を聞くたびに、涎を滴らせながらアルゼンチン入りを待ちわびていた私達。
ついに、ついに、この日がやってきたと、足早にスーパーへ向かう。

まずはワイン売り場へ。
1本200円くらいのものからずらりと並ぶ夢のような棚。
うっとりしながら、赤を1本選ぶ。

次は、肉売り場。
売り場の上には料金表が掲げてあるのだけど、スペイン語で部位が書いてあるのでよくわからない。
ならばガラスケースを覗いて、おいしそうな肉を見た目で選ぼうとやわらかそうなお肉を指さすと、
料金表で2番目に高いお肉であることが判明。
一瞬、二人で顔を見合わせ、頷きあう。
せっかく牛肉が安い国なんだから、ここでけちったらもったいない。
おいしそうなそのお肉を切ってもらうことにした。

宿に戻ると、早速料理を開始。
まず米を鍋で炊く。
米は、赤いパッケージの「Gallo」という商品名のものが絶品。
日本のお米に限りなく近く炊き上がるから、おにぎりも握れちゃう優れもの。
そして、ステーキ。
ウユニ塩湖で取ってきた濃い塩と黒コショウでお肉に下味をつけ、
暖めたフライパンで手早くニンニクを炒める。
そこにお肉を投入、赤ワインとしょう油、再び塩、コショウで味を調え完成。

ステーキとワインの夕べ

早速いただきまーす。

!!!!!!

うまっ!!!!!

目をつぶると、そこは結婚式場かと思うくらい。
披露宴で出てくるようなジューシーでやわらかいステーキ。
あんまりにもおいしくて、ゆーやんは一口目にして
「今からスーパーに戻ってお肉買い足してこようかな」と本気で言っていた。
ウユニの塩が決め手?日本から持参したしょう油?
いやいや、お肉がいいんでしょう!
最高級肉を買って大正解。

そして、ワインも適当に選んだにも関わらず、適度に重くて飲みやすい。
今日から毎日ワイン祭り決定だ。

アルゼンチンワインといえば、漫画『部長 島耕作』にこんな話が載っていた。
19世紀後半にヨーロッパを襲った害虫によって、フランスの葡萄はほぼ全滅した。
フランスに現存している葡萄の大半はアメリカから持ってきた品種を台木に接木して育てたもの。
従来のヨーロッパ種の葡萄の木が残っているのはチリ、アルゼンチンしかない。
そういうわけで、チリ、アルゼンチンのワインは貴重でおいしいらしいのだ。
ほほほう。
うんちくを知ると、ますますおいしく感じる。

食べ終わってすぐ、明日またステーキを食べることを想像してしまう、うかれた夕食。
本当においしい素材は、肉も野菜も魚も、焼くだけで絶品だ。

ありさ

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稜線美のフィッツロイ

今日から1泊2日でフィッツロイ山にトレッキングへ。
エル・カラファテからバスで4時間行った所にあるエル・チャルテンという小さな村を拠点に登る。
標高3,375メートルの尖った山に登るのはクライマーだけで、殆どの人々は山の近くまでいって雄姿を拝み、山の周りをトレッキングする。
エル・チャルテンから日帰りでも回れるし、3日ほどかけてゆっくりトレッキングすることもできるけれど、私達は朝焼けの山を見られる1泊2日を選択した。
前日にエル・カラファテの山道具屋さんでテントと寝袋の下に敷くシートをレンタルし、
2日分の食料を買い込み、準備万端。

フィッツロイのビジターセンター

エル・カラファテからのバスはエル・チャルテン村に入る前に必ず、
公園のインフォメーション・センターに立ち寄る。
ここで、公園内の地図をもらい、主要なトレッキングルートやトレッキングのルールの説明を受ける。

基本的なトレッキングのルールは次の通り。
・公園内のキャンプ場はすべて無料。キャンプ場を利用した後は、まるで利用してないかのようなきれいな状態でその場を去ること。
・山水はそのまま飲料水として飲むことができる。エル・チャルテン村の家々は山水をそのまま使用しているので、山では洗剤や石鹸は使わない、食器を洗う時は水源から離れた場所で洗う、トイレは水場から100m離れる。
・すべてのゴミは持ち帰る。
・シカを見たら、ビジター・センターにどこで見たかを報告する。犬はシカを脅かすので、犬を連れて山に入らない。

これらのルールはトレッカーにとっては当たり前の事柄かもしれないけれど、
5分間でもルールを確認するのはとても重要だ。
話の端々から、このセンターの人々がフィッツロイ山周辺の自然を愛し、誇りに思っていること、
美しさを守っていきたいと心から願っていることが伝わってきて好感がもてた。

フィッツロイ 入り口

バスターミナルでバスを降り、15分くらい歩いて公園の入り口へ。
最初の1時間くらいは急な山道が続くと聞いていたので、覚悟して足を踏み出す。

花咲くフィッツロイへの道

それにしても、いい天気。
風が強くて時々吹き飛ばされそうになるけど、陽気だけは春のようだ。
タンポポとシロツメクサの咲く山道を歩きながら、日本もあと1ヶ月くらいで春が来るだろうと思い巡らす。
日本の陽気な花の季節が一番好きだ。

キツツキさん

1時間くらい歩くと森に入り、しばらく平坦な道が続く。
森では適当な長さと太さの杖探し。
杖があるとトレッキングが格段楽になる。
ちょうどよい杖が見つかり、ご機嫌で歩いていると、コツコツ音がする。
音の方を探してみると、赤い首のキツツキが熱心に木の幹をつついていた。
きっと、おいしい虫でも見つけたのだろう。

カプリ湖からの眺め

森の中をさらに30分ほど歩くと、カプリ湖に出た。
ここはキャンプ場にもなっているけど、テントを張っている人はあまりいない。
湖のそばの岩の上では、多くの人がお菓子や果物を食べながら休憩している。
近づいてみて、納得。
1時間半登ってきて、はじめてフィッツロイの山が姿を現し、絶景が目の前に広がっていた。
私達も、岩の上に腰を下ろし、しばしの休憩。

カプリ湖から見たフィッツロイ山

岩の上から見えるのは、なかなか雲が切れた姿を見せることがないと言われるフィッツロイ山。
この時もうっすら雲に包まれてはいたけど、全体の形がはっきり分かってよかった。
この山の稜線こそ、アウトドアブランド「パタゴニア」のロゴマーク。
万年雪を抱いた尖った岩峰がそびえたつ様は、確かにロゴマークにしたくなるほどスタイリッシュ。

雲に覆われたフィッツロイ

湖からさらに森の中を1時間ほど歩くと湿原に出て急に視界が開け、再びフィッツロイが姿を現した。
峰峰の上を虹のような半円を描いた雲が覆っている。
空の他の部分は快晴の青空なのに、そこだけはすっぽり雲に包まれていて不思議。
山の下の蒸気が雲を発生させるような地形になっているのだろう。
まるでマチュピチュみたいだ。
雲が切れるのを待っても待っても、次々と新しい雲が下からやってきて、雲が途切れることがない。
だからこそ、一瞬でも、雲が途切れた時の姿を拝めたときの喜びは大きい。
何かが潜んでいそうな、神々しい山。

山を拝んだ後は、湿原から少し行った所にあるPoincenotのキャンプ場にテントを張った。
空になったペットボトルを持って近くの小川で水を汲む。
そのままごくごく飲んでみると、おいしーい。
くせが全くなく、透き通った水の味。
ごみひとつないキャンプ場は、たくさんの人がテントを張っているにも関わらず、静かで過ごしやすい。
たくさん歩いて、小川の水を飲んで、ひんやりおいしい空気に囲まれて。

ゆーやんは私の3倍くらいの荷物を背負ってくれていたけど、
そんな事どうでもいいくらいに嬉しそうにしている。
本当に、こういう空気が好きな人なんだろう。
世界一周の旅に出て、ゆーやんが一番晴れやかな表情をしている時は、
いつでも大自然に囲まれている時だ(あ、あとカツ丼食べてる時…)。

明日は、早起きして山の近くまで登り、朝焼けを見る予定。
朝焼け、見られるといいな。

ありさ

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朝陽に輝くフィッツロイを目指して

早朝3時半に起床。
テントから出ると、当たり前だが、真っ暗。
ここまで暗いのに、歩けるのか?
と思ったけれど、ライトで道を照らしつつ歩き始める。
そして、かなりの寒さ。
雨が降っていないだけ、ましかな。

こんな早朝から歩き出す目的は、
朝陽の中輝くフィッツロイを見るため。

テントサイトから1時間15分掛けて3kmの道のりを行く。
まさか目の前にある山の上まで行くのではと、
昨日話していたけれど、まさにその通りだった。
見るだけできつそうな急勾配。

少し早めに出たので、ゆっくりとゆっくりと進む。
全く周りが見えないので、道が全然わからない。
立ち止まってはライトをかざして行く道を探す。
こんな所で迷ったら、戻って来れなさそうだ。

下からもいくつかのライトの光が見え、トレッカーが登ってくるようだ。
それを見て道を間違っていないなと安心できる。

登るにつれ、汗をかくぐらいに体が熱くなってくる。
そして、空がうっすらと明らんでくる。
もう少しで到着なはず。

5時過ぎ、もうすぐで小高い山の頂上に到着するところ。
そこで目の前にフィッツロイのシルエットが目の前に飛び込んでくる。
辺りはまだ薄暗い中けれども、その稜線の美しさはとても際立っていた。
とんでもない迫力とその造形美に鳥肌がたってしまった。

うわっ。

と二人して声を上げる。
涙が出てくるほどに美しかった。

そして、自分たちに見られた事がわかったかのように、
フィツロイは雲を吐き出し、その稜線を隠していった。
少しの間だけれど、その全貌をこの目に焼き付けることができて幸せだった。

山の頂上まで登ると、すぐ下に湖"Laguna de los Tores"がある。
そして、目に前にフィッツロイ。
フィッツロイの名の通り”煙を吐き出し”続けている。

この頂上で朝陽を待つ。
しかし、温まった体が冷えてくると、もうほんとに寒い。
特に山から吹き降ろす風が冷たく、手を出しているとかじかんでしょうがない。
ありさは寝袋を持参して、包まって暖を取る。

朝陽待ちのありさ

陽が上って来た。
フィッツロイは相変わらず雲に覆われている。

朝陽前のフィッツロイ

それでも、太陽が昇る時の空の赤さには驚いた。
こんなに燃えるような赤が見えるなんて。
静かな朝とは思えないくらい、自分の心が燃えるように興奮してくる。
ほんとうにきれいだ。

朝焼け

どんどん陽が高くなっていってもフィッツロイの雲はそのまま覆いかぶさっていた。
いつまでも見ていて飽きないくらいの雄大さを見せつけられ、
ずっと山を見続けていた。
ありさはさすがに寒さが堪えるらしく、先に山を下ることに。
自分はもう少しこの景色を見ていたかったので、寒いけれど、
そこに留まった。

雲を吐き出し続けるフィッツロイ

30分くらいひとりでそこに居ただろうか。
さすがに凍りつきそうになってきたので、下山。
ちょうど雨が降り始めてきた。
今日はフィッツロイの稜線を拝むことはできないだろうな。

下りはすいすいと駆けるように降りて、30分でテントサイトへ。
朝ごはんのサンドイッチを食べてから、また眠ることに。
のんびりできるから、キャンプ生活は好きだ。

お昼には、荷物を担いで来た道を戻る。
少しだけ氷河を眺めに行ったけど、あまりの強風で飛ばされそうなので、
あきらめて、のんびりと帰り道を行く。

カプリ湖を過ぎた辺りからは天気がよかったけれど、
振り返って見たフィッツロイはまだ雲が架かっていた。
朝陽に輝くところは見れなかったけれど、
暗闇で見たフィッツロイの迫力と美しさは忘れないだろう。

とてものんびりと過ごせたフィッツロイ。
もう2,3日キャンプしてもよかったなと思うくらい、
素敵な国立公園だった。
これが入場料無料なんだからすごいことだ。

ゆーじ

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氷河ツアーの申し込み

エル・カラファテの住宅街

カラファテの街を散策する。
中心部は1キロくらいの大通りで、そこを離れると何もないのどかな住宅街。
近くに空色の湖が佇み、この辺りを自転車でゆっくり走るのも気持ち良さそう。

エル・カラファテの街並み

今日やるべき事は、明日行く予定の氷河ツアーの申し込み。
お目当てはHielo&Aventura社が開催する「BIG ICE」という名前の一日ツアー。
ロス・グラシアス国立公園の展望台で氷河を見た後、アイゼンをつけて氷河の上を3時間歩くもので、
数日前に会った旅人が絶賛していたのだ。
でも、昨日行った旅人は天気に恵まれなかったらしく、終始寒くて苦い思いをしたらしい。
氷河ツアーは天気次第ということになるけど、
お天気はもう運に任せるしかないので、晴れることを願って申し込む。

BOOK CAFE

ちょっと高額のツアー代を払ってドキドキしていたので、カフェに入って落ち着くことにする。
たまたま入ったカフェは、「Book Cafe」という名前の通り、中に入ると旅本や美術本が棚に並んでいた。
木のぬくもりあふれるあったかい空間で、カウンター席からソファー席までいろんな椅子で
お客さんが様々にくつろいでいる。
朝4時まで営業していて、お酒も飲めるせいか、常に満席の人気っぷりだった。
こんなカフェが近所にあったら最高だ。

明日は氷の世界を歩く。
アイゼンをつけて歩く感触はどんななんだろう、クレパスって危ないのかな…。
氷河に思いをめぐらせながら床に就く。

ありさ

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