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[31カ国目 モロッコ]フェズ
なめし革染色職人という仕事
- 2011-05-10 (Tue)
- [31カ国目 モロッコ]フェズ
メルズーガから夜行バスでフェズへ。
5時という早朝にもかかわらず、メディナの入り口前にある宿の呼び鈴を鳴らすと、
宿の主人は快く入れてくれて、今は満室だからと予備の部屋で寝させてくれた。
お昼まで眠り、普通の部屋に変えてもらう。
特に追加料金も請求されず、かつ清潔な部屋で安心する。
世界遺産フェズのメディナは、とんでもなく狭くて人でごった返し、
かつ汚くて歩きにくいと聞いていた。
ところが実際足を踏み込んでみると、なぜかそこまで人が多くなく、
大きな2本の道があるので、迷子になることも無く歩けた。
マラケシュの方が活気があったな~と思ってしまう。
この人の少なさはなんだろう?
フェズのメディナのスーク(市場)は、靴、服、香辛料、乾物、肉、野菜などなどの商品ごとにお店がかたまって並んでいる。
ここのスークで有名なのが、革製品のスーク。
その革を加工しているのが、なめし革染色職人地区、タンネリ。
メディナの中のどこにタンネリがあるのか、わかっていなかったけれど、
歩いていると「タンネリ」って声を何度も掛けられるようになるので、近づいてきたとわかる。
お土産屋の建物の屋上から染色場を眺めることができるので、
観光客を呼び込みガイド料を取るということらしい。
染色場は四方を革製品のお土産屋に囲まれていて、どのお店から見るかで、
染色場の広さ、近さなどの見え方が違うそうだ。
あとは、見終わった後のお土産屋さんのしつこさも。

なんとなくきつい匂いが漂っている辺りで、声を掛けてくる人と交渉してお土産屋の上へ。
そこは、染色場がすべて見えるくらい見晴らしのいい場所だった。
獣のような皮の匂いが辺りに漂い、職人さんたちが染料の入った風呂桶みたいなところで、
布をバシャバシャと染めているのが見える。
この染色方法は、ずっと昔から行われてきたままで、
赤色はとうがらしやパプリカやひなげし、黄色はサフラン、青色はインディゴ、
茶色は木の皮、グレーは灰といった天然染料を用いている。
上から路地を見下ろすと、ロバを使って動物の皮が大量に運ばれているのが見える。
それを職人さんが洗い、天然の染料を入れた桶で染めている。
そして、染色した布は屋根で天日干し。

簡単に書いてしまえばこれだけだけれど、
すべての工程が職人の手作業により行われている。
山羊や羊の皮をなめすところから始まり、
この悪臭・不衛生な環境下で、長時間も水に浸かり、布を染める作業は大変なものだろう。
それにも関わらず、かなりの低賃金とのこと。
このなめし革の刺激的な匂いがどんなものか?
日本で売られている皮製品は、ほぼ動物的な革の匂いは消し去られているけれど、
モロッコで売られている皮のバブーシュの大半は、まだ革の匂いが残っている。
皮なめしの現場では、それを何十倍にも強くしたような匂いが、がつんと鼻に突く。
この匂いを嗅ぐ事は日本の日常生活の中ではほぼ不可能だろう。
日本でこういう匂いがするものは、まず売れないだろう。
消費者を意識した商品ではないから。
無臭の商品の中からは、まさかこんなに多くの工程と職人の手が掛かっているなんて、想像もつかないはずだ。
以前、ありさがモロッコで買ってきたバブーシュの強い匂い。
ここに来て、その匂いとこの光景がはじめて繋がった。
*「ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト」の動画にここでの仕事の模様を収めたものがありました。
この仕事がどれだけ大変なものかわかります。
動画 国と人 モロッコの皮なめし工場で働く少年
ゆーじ
5時という早朝にもかかわらず、メディナの入り口前にある宿の呼び鈴を鳴らすと、
宿の主人は快く入れてくれて、今は満室だからと予備の部屋で寝させてくれた。
お昼まで眠り、普通の部屋に変えてもらう。
特に追加料金も請求されず、かつ清潔な部屋で安心する。
世界遺産フェズのメディナは、とんでもなく狭くて人でごった返し、
かつ汚くて歩きにくいと聞いていた。
ところが実際足を踏み込んでみると、なぜかそこまで人が多くなく、
大きな2本の道があるので、迷子になることも無く歩けた。
マラケシュの方が活気があったな~と思ってしまう。
この人の少なさはなんだろう?
フェズのメディナのスーク(市場)は、靴、服、香辛料、乾物、肉、野菜などなどの商品ごとにお店がかたまって並んでいる。
ここのスークで有名なのが、革製品のスーク。
その革を加工しているのが、なめし革染色職人地区、タンネリ。
メディナの中のどこにタンネリがあるのか、わかっていなかったけれど、
歩いていると「タンネリ」って声を何度も掛けられるようになるので、近づいてきたとわかる。
お土産屋の建物の屋上から染色場を眺めることができるので、
観光客を呼び込みガイド料を取るということらしい。
染色場は四方を革製品のお土産屋に囲まれていて、どのお店から見るかで、
染色場の広さ、近さなどの見え方が違うそうだ。
あとは、見終わった後のお土産屋さんのしつこさも。

なんとなくきつい匂いが漂っている辺りで、声を掛けてくる人と交渉してお土産屋の上へ。
そこは、染色場がすべて見えるくらい見晴らしのいい場所だった。
獣のような皮の匂いが辺りに漂い、職人さんたちが染料の入った風呂桶みたいなところで、
布をバシャバシャと染めているのが見える。
この染色方法は、ずっと昔から行われてきたままで、
赤色はとうがらしやパプリカやひなげし、黄色はサフラン、青色はインディゴ、
茶色は木の皮、グレーは灰といった天然染料を用いている。
上から路地を見下ろすと、ロバを使って動物の皮が大量に運ばれているのが見える。
それを職人さんが洗い、天然の染料を入れた桶で染めている。
そして、染色した布は屋根で天日干し。

簡単に書いてしまえばこれだけだけれど、
すべての工程が職人の手作業により行われている。
山羊や羊の皮をなめすところから始まり、
この悪臭・不衛生な環境下で、長時間も水に浸かり、布を染める作業は大変なものだろう。
それにも関わらず、かなりの低賃金とのこと。
このなめし革の刺激的な匂いがどんなものか?
日本で売られている皮製品は、ほぼ動物的な革の匂いは消し去られているけれど、
モロッコで売られている皮のバブーシュの大半は、まだ革の匂いが残っている。
皮なめしの現場では、それを何十倍にも強くしたような匂いが、がつんと鼻に突く。
この匂いを嗅ぐ事は日本の日常生活の中ではほぼ不可能だろう。
日本でこういう匂いがするものは、まず売れないだろう。
消費者を意識した商品ではないから。
無臭の商品の中からは、まさかこんなに多くの工程と職人の手が掛かっているなんて、想像もつかないはずだ。
以前、ありさがモロッコで買ってきたバブーシュの強い匂い。
ここに来て、その匂いとこの光景がはじめて繋がった。
*「ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト」の動画にここでの仕事の模様を収めたものがありました。
この仕事がどれだけ大変なものかわかります。
動画 国と人 モロッコの皮なめし工場で働く少年
ゆーじ
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